尚美のこと【逢瀬】
尚美と逢うのはいつも平日の昼間。隣街のラブホテル。隣の隣街へ向かうこともある。私は会社員だが、退職も近く仕事の融通もつきやすい。彼女は専業主婦 … だと思う。お互いに詮索しないようにしている、暗黙の了解で。
彼女はベッドに入ると例によって「電気を消して」と言う。山小屋の暗闇状態ではないので、目が慣れると細く華奢な体が見えてくる。
彼女の体は柔らかく、抱くと私の腕のなかで揺れている。私に操られているよう。
私はコンドームを付けて彼女の「からだ」の中に這入る。彼女の吐息が荒くなり … そして息が声になる。
近頃、彼女を犯すように激しく求めている。
まるで、虐めて弄ぶように。
まるで、私の腕が縄になったように。
尚美を表にしたり、裏にしたり、犯し続けて果てる。
ふと、尚美を見ると、涙を流していた。
そして、いつもより 幾分か多めに … 濡れていた。
私は家に帰って、ネットで麻縄を購入した。
尚美のこと【からだ】
山小屋の中で裸の尚美を見る。少女の面影が残る細くて華奢な「からだ」。
例えば 彼女の髪を三つ編みにすると、私がロリコンと思われても仕方がないかもしれない。乳房は小さく乳首と乳輪も小ぶり。でもお尻は大きく、唯一大人の体の様を漂わせている。
世間には大きな胸を好む男性は多いと思う。
でも私は、大きい小さいに拘らずその女性の雰囲気に合った乳房が好きだ。
気に入ったレストランでオーダーする小さな盛り付けの一品みたいに。
持て余すほどの乳房。余すのは必要ないのかも。
胸が小さいのは貧乳というが、貧は貪という字に似ている。貪るにはちょうどいい… と思う。
しかし、尚美は自分の体にコンプレックスを待っているらしく、
「お願いします、カーテンを閉めて灯りを消してください」
と 胸を手で覆い、そう言った。
あいにく山小屋にはカーテンはなく雨戸だけ、閉めれば暗闇になる。
暗闇の中でで、私は尚美の「からだ」と
唇を 貪った。