仕置き寺
此処は奥深い山谷にある「仕置き寺」。
時は大正、姦淫の罪を犯した女房共が此の寺に送られてくる。
夕刻、女房共は坊主に引導されて折檻堂へ。
着物は剥がれて紅褌を着けられ、縄に吊られて連座させられる。
暫くすると、廊の板を鳴らして巨僧がやって来る。
身を寄せ合って慄く女房共。
巨僧は辺りを見渡し、徐に褌を外すと丸太のような、此れも巨摩羅が晒される。
其れを目の当たりにした女房共は驚愕し泣き喚き、ある者は気を失い、諸者の唸る声が猿轡の奥から籠り渡る。
「さぁて、今宵はどの贄にするかの」
連座から一人選ばれる。
巨僧は其の女房の吊り縄を解き、髪をひっ掴みすると前に引き出した。
「おまん共、よぉく見とくんじゃ!」
「けぇから姦淫の罰責めじゃ!」
「おまん共が好いた摩羅をもう一遍味うがええ!」
しかし… この贄の女房は冤罪だった。
庭の植木屋に色目を使ったと言って亭主が腹を立てた。
もちろん、嫉妬深い亭主の思い込みであった。
亭主は姦通したであろう、と植木屋に言いかがりをつけ、植木屋は亭主の怒りの迫力に押されて偽証した。
巨僧はいつになく欲情した。
無理もない、其の女房は連座した誰よりも美しく、輝くような白い肌をしていた。