風呂場へ
(和子、牢の中。女将、牢の外)
女将「和子さん、大丈夫?起きてる?」
「昨日の朝からぐったり横になったままだから、心配しちゃうわよ」
和子「・・・」
女将「…初めてのお客さん、どうだった?」
和子「・・・・・」
女将「でも、あのお客さんね、
ふふ、和子さんのこと、すごく気に入っちゃったみたいよ」
「本気で嫌がって抵抗してるとこがよかった、なんだって、、」
「皮肉よね」
「来週も予約してくださったのよ、お礼を言うわ」
和子「・・・もう …嫌・・・」
女将「こんな歳で三回も出来た、って、ふふふ、悦んでいらっしゃった」
「尺八も慣れないところが、また…」
和子「…もう、言わないでっ」
女将「それからねぇ、、いやいやしてても、そのうちぐっちょり濡れてきて…」
和子「駄目っ、嫌っ、…もうそれ以上… お願い」
女将「あら、もっと聞いてよ、私、嬉しくって…」
「お客さん、和子さんの綺麗で美しい躰に夢中になって
つい虐めるの忘れてむしゃぶりついちゃったって、ふふ」
「今度は奥の座敷でたっぷり虐めたいんだってよ」
和子「…ああ、もう… ほんとに…」
「…お願い、もうあっちへ行って」
女将「あら、つれないお人ね」
「喜んでくれると思ったのに」
和子「…そんなこと、、、お願い、ひとりにして…」
女将「でもね、はいそうですかって言えないのよ」
和子「・・・・?」
女将「今夜、次のお客さんが入ってるの」
和子「…え? 今日なの? 嘘でしょっ、嫌です!嫌っ!」
女将「・・・」
「ねぇ、和子さん、あなた何様のつもり?!」
「あなたはここへ売られてきたのよ、置かれた立場を考えなさい!」
和子「・・・ああぁ ううっ・・・」
女将「ここを出て、お風呂場に行くのよ」
「お汁まみれで、さっきからツンて臭くって臭くって、」
「中のお液もきれいに出さないと、ね」
「そのままじゃ、お客さんに失礼でしょ」
和子「・・・うっ、うっ 」
女将「さぁさぁ、さっさと出て」
女将「権蔵の手助けがいるんなら呼ぶけど?」
和子「…い…や」