還暦夫婦の戯れ【後編】
「あぁ … 」妻が吐息と一緒に声を漏らす。「も、もう … 」
【三景 交わり】
「もう なんだ?」「いれ て …」「ほしいのか?」「 …うん」「うん、じゃないだろ?」私は意地悪に問い詰める。縛られた女に相応しい言葉使いで。「は … い …」「いれて … ください」
私は縛られた妻をうつ伏せに押し倒し尻を持ち上げる。陰茎を握り狙いを定め、だらしなく開いた陰唇を割る。私の注いだ唾液のおかげで陰茎は滑らかに妻の膣の中に入っていった。
私は挿し押したままで妻の背中で結ばれた縄を解く。自由になった妻の腕は自分の体を支えながら、両手の指はシーツを掴んでいる。後背位は久しぶりだった。肛門を見ながら膣の出入り口を抜き挿しする摩擦を暫く味わう。
そして、苦しそうに喘ぐ妻を表にし正常位で交わる。今度は亀頭が恥丘側のざらざらした膣壁を押し滑りながら深く収まっていく。敏感な亀頭からその繊細な凹凸が伝わってくる。若い頃は最深まで押し込むと子宮の入口へ突き当たっていたのに、今はそうならない。妻の膣が長くなったのか、私の陰茎が短くなったのか?
【四景 昇る】
ゆっくりと押し、ゆっくりと引いて、実感が快感になっていくのを意識を集中しながら慎重に味わっていく。私は妻の上体を起こし対面座位の体位をとる。私はこの体位が好きだ。お互いの背中を腕を回して抱き、私は目の前で揺れている乳首を吸う。妻は腰を前後に激しく振っている。クリトリスを私の恥骨に押し当て擦りながら快感を探っている。溢れてくる愛液が睾丸を濡らす。胸についた縄目の痕が紅く染まっている。愛おしくなって其処に口づけをすると、妻が舌を出して接吻を求めてきた。今日は中折れせず完遂できそうだ。徐々に快感の波が押し寄せてくる。妻を見ると眉間に皺を寄せ迫りくる悦楽に身を任せている。
妻をゆっくり寝かせてまた正常位にして主導権を私に戻す。腰の動きを激しくする。私の肉棒と、それに馴染んだ妻の秘壺。精液が根元のほうで放出の準備を整えている。
「いい いい きもちいい いく いきそう あぁ い い く」うなされるように妻が悶える。じわじわと体の芯が痺れてきて鳥肌の立つような快感が襲ってくる。背筋から脳天に突き上げるような悦と尿道を流れる悦が混ざる。妻も全身を硬直させてほぼ同時に昇り詰めて果てた。私の精液が妻の中に注ぎ込まれる。どくどくと… いつもよりそれは永く続いた。
来月は妻の61歳の誕生日。ホテルの最上階で夜景を観ながらのディナーとスウィートルームを予約している。
パールのネックレスと、真っ赤な透けたランジェリーを忍ばせて。
あ、 それと、また麻縄も …。
… 完