扉 其の二
絵を描き始める。
自慰を知らない少年は、
妄想を抱え込み、満たそうと必死だった。
描いては捨て、また描いては捨てる毎日。
親が寝静まった頃、勉強のふりをして参考書で隠しながら。
緊縛画。
最初は、あの挿絵を頭に浮かべ模写していた。
慣れると自分で思い描いたポーズをとらせた。
ネットのない時代… 参考にするのは、
離れた町の本屋でこそこそと成人雑誌の立ち見。
時には母親の裸体。
縄で絞られた乳房の描写には難儀していた。
(今でも得意ではないが)
授業中、無意識に教科書の端に乳房を描いて
慌てて消したことも何度かあった。
意味知れぬ欲情、勃起が収まらない毎日。
ふとした時に射精をした… そして安堵した。
これで解放される、止めどない支配に決着がつく。
それからは毎夜絵を描くことを控え、
落ちていた学力を取り戻すことにした。
欲情すれば絵は描かず自慰で済ます。
たまには描いていたが…。
そして、扉は閉じられた。でも、鍵はしないままに、、あえて。
自慰を知らない少年は、
妄想を抱え込み、満たそうと必死だった。
描いては捨て、また描いては捨てる毎日。
親が寝静まった頃、勉強のふりをして参考書で隠しながら。
緊縛画。
最初は、あの挿絵を頭に浮かべ模写していた。
慣れると自分で思い描いたポーズをとらせた。
ネットのない時代… 参考にするのは、
離れた町の本屋でこそこそと成人雑誌の立ち見。
時には母親の裸体。
縄で絞られた乳房の描写には難儀していた。
(今でも得意ではないが)
授業中、無意識に教科書の端に乳房を描いて
慌てて消したことも何度かあった。
意味知れぬ欲情、勃起が収まらない毎日。
ふとした時に射精をした… そして安堵した。
これで解放される、止めどない支配に決着がつく。
それからは毎夜絵を描くことを控え、
落ちていた学力を取り戻すことにした。
欲情すれば絵は描かず自慰で済ます。
たまには描いていたが…。
そして、扉は閉じられた。でも、鍵はしないままに、、あえて。