2ntブログ

淫梅戯画【前編】



2023041123274103e.jpeg


此の媼の名は、お梅。亭主に先立たれ、永い間やもめ暮らしをしていた。先日縁あって、女房を亡くした同じ境遇の男の元へ嫁いできた。男の名は興悦という。生業は絵師。但しその類は春画である。お梅はその事を知らない。


嫁いでひと月まだ夫婦の契りはない。寝床も別である。或る日、お梅が興悦の書斎を煤払いしていると描紙が目に留まった。春画である。縛り絵、責め絵、交合し絵…。絵で有りながら、初めて目にする其の悍ましい情景。お梅は竦む思いであったがつい描紙を捲る。


其処へ家主の興悦が現れた。慌て咄嗟に逃げようとするお梅を捕まえると、箪笥に仕舞っておいた麻縄でみるみる間に縛り上げた。


「なにをなさるのですか?離してくださいませ」

「お梅、此の絵が儂の生業じゃ、女ごを縛って甚振り、其の景を画にする」


お梅は縛られたまま黙って聞いている。


「じゃがな、儂の魔羅は不能不全、女ごを悦に堕とすことはできん体じゃ」

「お梅、おまんを画にしとうて娶った」

「心得て聞いてくれ、おまんと交合う男は儂ではない、翌る日此処へ来る坊主じゃ、その坊主との淫景を画にする」


坊主:某寺で修行中に檀家の女房衆をことごとく手篭めにし、その業で破門され寺を追い出された。其の後は、好色で稀にも無い絶倫故の素質を買われ、足抜け女郎や女囚の折檻、嬲り役を与えられる。


「おまんも亭主を亡くし暫く男日照りであろう、この機に一層の悦びを味わうがええ」


202304112322475ff.jpeg


20230411232315b96.jpeg


20230411232212b94.jpeg


20230411232759b68.jpeg


20230411232154974.jpeg


「旦那様… お梅は見ての通りの年増女でございます、逸な絵にはなりませぬ」

「どうか、どうか… 堪忍してくださいまし… 」


20230411232118fa1.jpeg


お梅は其の日縛られた姿のまま土蔵で過ごした。


そして、翌る日辰の刻、坊主がやって来た。



…後編につづく。



プロフィール

鐸(たく)

Author:鐸(たく)
中国地方在住。
60代男性。
自作の緊縛画、責め画を展示し、
その想いや色事を綴っています。
18歳未満のかた、
不快と感じられる方の
閲覧はご遠慮ください。

リンクはご自由に。(ご一報頂ければ有り難いです)
色々なご意見やご感想もお待ちしております。

※メールフォームは現在使えない状態です。
メールは直接下記のアドレスよりお願いいたします。
in_en_garou@yahoo.co.jp

では、お愉しみください。
………………………………………………………

Twitter始めました。

淫艶画牢・鐸 @in_en_garou
↑こちらにも載せていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

最新記事
カレンダー
03 | 2023/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR