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淫獣の棲みか 其の五



「なぁ旦那さん、あんたの奥さん、ふへへ、見てみぃ」
「うう=!ううう!=」
我に戻った夫は首を激しく振り、縄を解こうと暴れだしました。

男の一人、一郎が夫の前に屈み込んで言いました。
「あんたらとは仲良うできそうじゃ」
「どうやら、儂らとおんなじ趣味みてぇじゃからな、へへへ」
「鞄なかあったこの縄、これで奥さんを縛るじゃろう?」
「ううう=んうう=!」
夫は一郎から見せられた縄に驚き、呻きながらまた首を振りました。

「だがな、儂らはあんたらみたいな、ままごと遊びじゃねぇ」
「縛りあげたおなごはなぁ、み~んな地獄と極楽に連れてってやるんじゃ」
「地獄と極楽を行ったり来たり、、どっちかわかんようになるまでなぁ」
夫は最初は一郎を睨んでいましたが、話しを聞かされるにつれ、
怯え、侘びるような表情になっていました。

そして、その同じ眼差しで、私のほうを…。

男達もゆっくりと私のほうを向いて、黙って笑い始めます。
「あ、あなた、あなたぁ、」
これから間もなく、、始まる? 始まろうとしている?
…漂ってくる妖気が気配となって肌の表面を撫でていきます。
「いや!いや!、、いやっ!」
男達が順番に立ち上がりました。
「さてと、、、」男達が近づいてきます。
「いや!やめて、お願い、お願いします」
「お金だったらいくら、いくらでもあげます、だから、、だから、お願い!」

一郎が目の前に来て言いました。
「奥さん、『火』じゃ、『火』なんじゃ」
「これから、『火祭り』なんじゃ」「儂ら、そう呼んじょる」
「ここで吊られたおなごはの」
「み~んな火みてぇに燃えるんじゃ、ぼぉぼぉと、、」
二郎が
「ぼぉぼぉ~、ごぉごぉ~、めぇらめら~、」
三郎が
「火あぶりじゃ、燃えるんじゃ~、うほほほ」

三人は私の顔の前で、酒臭い息を吹きかけながら、
かわるがわる私の顔を覗き込んできます。
「いや!いや!いやぁ、やめてぇ!」
二郎が何か器のようなものを私の目の前に差し出しました。
その器はすり鉢で、中にどろどろしたものが入っていました。
「これ、さっき膳に出したろう、山芋じゃ」
「ふつうは食うもんじゃが、別の使い道もあるんよのぉ」
「ちょこっと別の薬もまぜちょるけどな、ほほほ」
「これをのぉ」
「あっ!いや!な、なにを、なにを!」

二郎は人差し指と中指をすり鉢に入れ山芋をすくったと思ったら、
下着の下へ手の滑り込ませ、私の…あそこに、塗り込んできたんです。
そして、、膣の中にも…。
「あっ、いやっ!、やめて、さわらないでっ!いやっ!」
「ふふ、ふふふ」
男達は笑いながら私の足元に座り、胡座を組み、見上げて眺めています。
なにかが始まるのを確信しているように… 余裕の表情で。

その兆候はすぐに始まりました。
「あっ、いや! だめ、だめ、、」
「あなた、あなた!助けて」
夫のほうを見ると、うつ伏せの状態で首を上げて振りながら、
「う、んうう==!んうう=!」
夫は猿ぐつわの中で、やめろ!やめろ!と言ってるのがわかります。

兆候は次第に激しい痒みとなり、
それは、耐える限界を超えようとする勢いで襲ってきました。
足は開かされているので摺り合わせることもできません。
それでもじっとしてはいられず、身を捩って、縄を解こうと必死でした。
鴨居と縄はぎしぎしと音をたて、踏ん張った指で畳もよれてきます。
汚れと一緒に擦れてほころんでいた畳の痕は、
私と同じ目に遭わされた女性達の痕跡なのでしょう。

汗が全身から吹き、涙がこぼれ、知らぬ間に涎が唇を濡らしていました。
「お願い!ほどいて! も、もう!いや!」
二郎「効いてきたようじゃのう、奥さん」
三郎「火踊りじゃ、火踊りじゃ、うほほっ」
「痒い!痒い!痒いんです!いや!いやっ」もう気が変になりそうなのです。
「どうにかして!、ねっ!、お願い!」
はっと、今言ったことの意味を悔やみましたが、それもすぐ忘れて、、
「お願いです!なにか、、なんとかしてください!」

一郎「奥さん、どうして欲しいんじゃ?」
「どこをどうして欲しいんじゃ? 言ってみ」
「お願い! 縄をほどいて」
「いやぁ残念じゃが、それはできんのぉ」
「じゃが、痒いんのをどうにかしちゃるのは、できるがの」
〈な、なんでもいい、、なんでもいいから〉
かろうじて言いとどまりました。
「お願い!早く!」
「ほほう、そうか、そうか、わかった、わかった」

二郎「それじゃあのぉ」
「『私をすっぱだかにして』って言うてみろ」
「え、え? なに? そんなこと、そんなこと!言えない!、、」
「じゃったら、どうにもしてやれんのぉ」
「いや、いや!、お、お願い!、、」
「もうひと塗りしてやろうか?」
「いや!いや!あああぁ~」
〈わ、わ、、わたしを、私を裸にして〉
「ん?なんて言うた?聞こえんかったぞ」
「わたしを、、裸に、して…」
「よしよし、奥さん、素直でええ、ほほほ」

「ううう==!」夫は体を激しく揺らしています。

二郎と三郎は目で合図をして立ち上がりました。
「可愛いおべべじゃが、、仕方がねぇのぉ」
「あとでな、儂らとおんなじ褌をつけちゃるけぇ」
そう言うと、二郎はキャミソールを咬み、両手で一気に破り裂いたのです。
ビリビリビリ、ビリビリビリ、
「あああ~~、いや、いやぁ~~」
今度は三郎がショーツの紐に手をかけました。
私は、私は全裸にされる… 
夫の方を見ました。夫は…夫は目を背けています。
そして、紐が解かれて、ショーツは畳の上に落とされました。

私は、とうとう、…一糸まとわぬ姿にされたのです。


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「ほおぉぉぉ~、おおおぉぉ~」
「奥さん、、ほんま、ええ体しとる、ほれぼれするわぁ」
「ほんまじゃ、乳もでけぇし、いうてもそう垂れてねぇしな」
「おめぇのかかぁとは大違いじゃ、のぉ三郎」「お? お、おぅ」
「お毛毛も黒々じゃ、んん、艶艶しとる」
私は隠すこともできません、もちろん、閉じることもできません。
「あああぁ~~、いやぁぁ~~」

一郎がさっき鞄から取り出した、(私達の)玩具のところへ行きました。
そして、手に取り、こちらに戻ってきました。
夫はその動きを視線で追っています。「うう=!ううう=!」
「奥さん、せっかく用意したんじゃ、使わんとのぉ」
「これで痒いぃところを掻き回したら、楽になれるぞ」
赤く艶のあるゴツゴツした玩具、手にあるのは、男性器を型どった張り型です。
それを私の目の前に…、「いや、いや」私は首を振りました。
一郎は片手で顎を掴み、口の隙間から、無理矢理押し込んだのです。
「んぐぐ~、んぐ、んぐ」

「なぁ一郎、唾でまぶさんでも、もうぐちょぐちょになっとるぞ」
私の開かされた陰部を覗き込んでいた三郎が言いました。
一郎は私の口からそれを抜くと、今度は自分の口に入れ、
付いた私の唾液を味わうようにくるくると舐め回しました。

私は、…私は焦らされているのです。私が催促するのを待っているのです。
〈お、お願い…〉
〈…入れて、は、…はやく〉私は心の中で懇願していました。
もう、夫のほうを見る勇気はありません。

私のあそこは、もう、気が狂いそうなくらい、痒くて、
痒くて、たまらないのです。「あうあぁぁ~~」
でも、実は、それだけじゃありません、痒いだけでは…、
熱くて、なにか蠢くような、じわじわと、時にぶわっと湧いてくる、
得体の知れない、未知の快感の渦に巻込まれていたのです。
〈ああぁ~欲しい…〉
それは…、赤く太い張り型を口に含まされた時から…。


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知らぬ間に、三人の男達はそれぞれ別々の玩具を持っています。
そして、男達は身を屈め私の視界から消えました。
いよいよ… もう… ああぁ~、くる?、くるの?
男達の後ろにいた夫が見えました、ぼろぼろと涙が溢れました、そして、、
そして…目を閉じました。

玩具が入口に触れたとき、電流のような激感が背骨を抜け脳天まで貫きました、
「ひっ! 、、あっ、あっ、いや!」

「火祭りじゃあ うほほほほ」

「ああぁ、あ、あああぁ~~」

続きを読む

淫獣の棲みか 其の四




「ううぅ~~」

両腕の痺れるような激しい痛みを感じます。
瞼が少し開き最初に目に入ってきたのは、足元の汚れた畳。
どうして、そんなに汚れているんだろう?
それから私の足が見えました。竹の棒と縄で縛られた足首。
痛みのある両腕を見ようと頭を上げると、
鴨居か吊り下がった縄で、腕のほうも竹の棒で縛られてました。

顔を正面に向けて目の前を見るとぼんやり誰かが…。
そこに居るのは三人の男達でした。
並んで胡座をかいて座り、こっちを見ています。
皆、裸なの? あれは下着? あの腰の布は? ふんどし?
だんだんと意識が戻ってきます。
そして、今、私がどのような姿なのか知ることになります。

まるで「火」の字のように、両腕、両足を開いた立ち姿で、
その手足はそれぞれ竹の棒に縄で縛られ、鴨居から吊られています。
赤い下着を着けて…、 ワンピースは… 脱がれて ました。


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やはり男達は皆裸、ふんどし姿でした。
破れた障子、色あせた襖、おどろおどろしい欄間の柄。
そして、、足元の畳の汚れ。
私が今いるところはいったいどこなの?

奇怪な時空に迷い込み、この世から置き去りにされたような、
意識が朦朧とするなか、まだそんな錯覚に包まれています。
でも、漠然と…、もう二度と現世には戻れない、ここから抜け出せない。
理不尽な宿命の予感はしているのです。
そして、、男達に抑えつけられた記憶が蘇ってきました。
「ああああ~~」
その落胆の衝撃で、また気を失いそうになりました。

「奥さん、気がついたようじゃのう」
「ほほ、よかった、よかった」
男の声で、この悪夢はやはり現実なのだと…また思い知らされます。

「奥さん、畳が汚れてるんが気になるんか?」
「へへへ、じゃったら教えたろう、」
「そりゃあな、おなご衆の汁じゃ」
「汗、涙、涎、鼻水、それとなぁ、へへ、よがり汁、、しょんべんもか」
「いろ~んな汁をな、いっぺい吸って、その染みじゃ」
「奥さんとおんなじ格好にされてのぉ」
そう言うと三人が一声に大きな声で笑い始めました。
笑いながら、「てかてかして赤いんはのぉ、蝋燭じゃ、ほほぉ~」

私は恐怖とおぞましさで体が硬直して声も出ません。
そのかわりに、涙が溢れてきて、それは垂れてほとぽとと、
…足元の汚れた畳の上を濡らしました。
私はこれから何をされるの? どうやって弄ばれるの? いつまで続くの?
私は… 私はどうなるの? また涙が溢れてきて頬を伝い、畳の上に。

「お…、お願い、これをほどいて、おうちに帰して、、」


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一人の男が襖の陰から鞄と私のハンドバッグを持ってきました。
そしてハンドバッグから色々と出し始めたのです。
「奥さん、昭子ていうんじゃのう、しじゅうなな(47)かぁ?」
私の免許証を見て言いました。
「うちのかかぁと同い歳じゃの」
「ほんまか、おめぇんとこのあれ、しじゅうななじゃったんか?」
「もうろくじゅう(60)ぐれぇかと思うとった」「こりゃ!!しばくぞ!」
「いやぁあ、おんなじ生きもんには見えんわ、ほほほ」
「まぁ、たしかにのぉ、うほほ」
「こりゃあ、手帳か」「きれぇな字ぃ書くのぉ」
「おお、またベッピンさんがおるで」「娘さんか?、奥さんとよぉ似とる」

「嫌!やめて!勝手に見ないで!」
男達が寄ってたかってを吟味する言い草は「ばい菌」となって、
私達の家庭、生活すべてに伝染し、蝕み腐らせているようでした。

男達は今度は旅行鞄の中身を見始めました。
そこには、夫が秘かに入れたモノがあるはずです。
案の定…
「奥さん、コレはなんだ?」「ほほほ、コレも」「まだあるぞ」
ブウィーン ブウィーン 「こりゃあええ、こりゃあええ、へへへ」
私の体は震えが止まりません。立っていることができません。
鼓動は激しくなり、目眩と吐き気がしてきました。
男達はそんな私を無視して玩具で遊んでいます。
玩具を動かしながら、「奥さん、やっぱり好きなんじゃのぅ、ほほ」
「ち、違います、それは、それは夫が、、」
「おお? ほぅ、ほぅ、ほぅ、なるほどな」
男達が鞄の奥で見つけたものは…たぶん… あの『縄』です。

「そうじゃ奥さん、儂らも自己紹介せんとなぁ」
宿の主人の男が、玩具を撫でながら、私のほうを見て言いました。
「儂ら、よう似とるじゃろう、顔も背も、頭も、ふほほ」
「儂ら三つ子でのぉ、儂が一郎、長男じゃ、そんで二郎、三郎、ほほほ」
「名が手抜きじゃろう、わかりやしぃがの」

ん=うう、うううぅ、ん==うう
「おろ?旦那さんが目ぇさましたみてぇじゃの」
「こっちへ連れてくるかぁ」
「え? 駄目! 嫌、嫌っ! やめて、、」
「なんでじゃあ?、夫婦じゃろう、仲がええんじゃろう ?へへへ」
「この玩具で一緒に遊ぶんじゃろう?」
「お願い、ほどいて! お願い、ほんとに!」
男達は隣の部屋と隔てている襖、後ろの襖を開けました。
私はとっさに顔をそむけて目を瞑りました。
こんな、こんな私の姿…、夫と目を合わせるわけにはいきません。

「ううう=!うう、ううう===」
夫の声が、なんだかおかしいことに気付きました。
くぐもった声、それも押し迫ったような声、、苦しそう。
おそるおそる目を開けて襖の向こう、隣の部屋を見ました。
なに、なに?その格好は、、なんてことを…。「あなた!」
夫は後ろ手に縛られ、足も縛られ、下着一枚で転がされていたのです。
口には猿ぐつわを咬まされていました。

夫は横たわった体のままこちらに顔を向け、
そして、私と目が合ったのです。
夫と私は放心状態で言葉も発せず、しばらく呆然と見合っていました。

「旦那さんとご対面じゃあ」


 {つづく}


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淫獣の棲みか 其の三




男達が部屋から出て行った後、
夫はお風呂を借りようと言いましたが、私は断りました。
まだ男達がこの近くにいるようで怖かったのです。
それに、あの下着をこの状況で夫に見せたくありませんでした。
下着を付けてきたこと、今になって後悔していました。
私はタオルで顔と体を吹き、洋服のまま布団の中へ入りました。
夫は私に申し訳ないと謝り、二枚敷かれた別の布団へ。

私は目を瞑って眠りにつこうとしましたが、
男たちの、あの、薄気味悪い笑い顔が目に浮かんできて、
なかなか寝付けませんでした。

しばらくしたら床の軋む足音が近づいてきました。
そして、襖を叩く音が…。
夫は起き上がって襖越しに何の用か尋ねました。
「いらんちゅうて言っとったが、あんたら、何も食うてないんじゃろ」
「間に合わせじゃが、飯を作ってやったから食うたらどうじゃ?」
「離れの部屋に用意しといたから」
私は首を振って、断ってくれと小声で催促しました。
しかし夫は、
「せっかく好意で作ってくれたのに、、断ったら悪いよ」
「食べたら、すぐ戻ればいいじゃないか」
そういう夫の言い分を渋々ながら受け入れて、
私達は宿の主人のいた離れへ向かいました。

食事を用意してあるという部屋の襖を開けると、…なんと、、
帰ったと思っていた、あの二人の男が座っているのです。
お膳が五つ… 輪を囲むように並べられ、
二人の男は胡座をかいて手招きをしてきました。
私が引き返そうとした時、
後ろから宿の主人がやってきて、私達の体を中へ押すように、
「まぁまぁ、遠慮せんと、なかへなかへ、」
「酒も持ってきたけえ、上等の酒じゃあ、さぁさぁ」
「いえ、私たちは…」
「さぁさぁ、つったってねぇで、さぁ」
夫は手を引かれ強引に上座の膳の前へ。
座らされた夫は目配りで隣へ来いと私を呼んでいます。

男達はもうお酒が入っているみたいで赤い顔をして、
浮かれた様子で陽気に笑いながら喋り合っています。
男達は私達にも酒を薦めましたが、もちろん、私は断りました。
でも夫は、いい酒だからと無理矢理湯のみを持たせられ、
一杯だけでもと注がれた酒に口をつけ、
そして、また… 止める私の隣で杯を重ねていったのです。

「奥さんはいくつじゃ?」
「えらいべっぴんさんじゃのう」
「そうよ、一目みたときからそう思ったぞ、儂も」
「おいおい、そりゃあくどいとんのか? 人様の嫁さんじゃぞ」

私はその下衆なやりとりに薄く微笑みながらも目は合わさず、
下を向いたまま黙ったままやり過ごしていました。

「へへへ、のう、旦那さん」
「あんたの奥さんはべっぴんで、羨ましいのぉ」
「ありゃ? どうしたんじゃ 旦那さん」
「おいおい、もう酔ってしもうたんかのぉ」

夫の異変にその時初めて気付きました。
柱によりかかって首をうな垂れて、ぐったりしていたのです。
夫のそんな姿は見たことがありませんでした。
なぜなら夫は、お酒は強いほうだったのです。

「だいじょうぶか?、旦那さん」
「隣の部屋で少し休ましちゃろうか」
「おめぇら、ちょっと手伝うてくれ」

夫を部屋まで連れて行ってくれと頼みましたが、
皆酔っていて聞こえないのか、面倒くさがっているのか、
夫は三人がかりで隣の部屋に運ばれていきました。
男達が戻ってきて、私の隣に座り、

「奥さん、旦那さんおらんなったな、どうする?」
「ええやないか、まだまだ宴会じゃ宴会じゃ」
「奥さんも一杯どうじゃ?」
私は意を決したように勢いよく立ち上がって、
「私は部屋に帰ります!どうもご馳走様でした」
「すみません、通してください」
「奥さん、旦那はどうすんじゃ?」
「起きたら部屋に戻るように言ってください」
立ち上がった私を、男達はまた薄ら笑いで下から眺めています。

私は男達の膝の前を抜けて襖の方へ行こうとしたその時、
「奥さ~ん、もうちょっとええじゃねぇか、のぉ」
男の手が私の腕を掴んだのです。「あっ!」
私はその拍子にバランスを崩し、
腕を掴んだ男の膝の上に、お尻からしゃがみ込んでしまいました。


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「おっとっとぉ、だいじょぶか?奥さん」
「ありゃりゃ?、奥さん、今パンツが見えたぞ」
「なんじゃそのパンツは?、すげぇ色しとったぞ」
「おお?そうなんか?おいおい、儂も見せてくれぇ」

膝の上に乗ってしまった後ろの男の両手が腰を回して私の動きを止め、
二人の男の手が私ワンピースの裾に伸ばしてきました。
「何をするんです!離してください!」
「駄目!離して、、離して」「あなたぁ!あなたぁ!」

私はその場で押し倒され…、
仰向けになった私の両手を一人の男が、両足を二人の男が押え込みました。
「何を、何をする気なの? お願い、離して! 嫌!」
それまでの男達の笑いは…荒い息使いに変わっていました。

「奥さん、堪忍じゃ」
そう一人の男が言うと、ワンピースの裾を一気に…
「おおおぉ、なんじゃこの下着わぁ」
「ほんまじゃ、ほおぉ、えろいのぉ」
「嫌!嫌!離して!、これは、これは違います!」
ワンピースは首元までたくし上げられ、
あの赤い下着が男達の目に晒されたのです。
「澄ました顔してからに、奥さんもなかなか、、じゃのう」
「やめて!見ないで! お願いだから、離して!」


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私は足で蹴って振りほどこうとしました。
思いっきり引き込んだ片足が男の手から離れたので、
勢い任せで掴みなおそうとした男の胸を蹴りました。
「おぅ、いてて! このあまぁ!」
「ほほほ、なにやっとんじゃ、しっかり掴まえとけぇ」
蹴られた男は険しい顔をして体勢を立て直し、
挽回するように力任せで両足を抑えてきました。

「あっ! 嫌っ!」
その勢いで閉じていた両足が開き、大きく股を割られてしまったのです。
「ありゃ?なんじゃ? そりゃあ染みか?」
「おお、そうじゃ染みじゃ、パンツが、股のとこがよごれとるぞ」
それは、今朝下着を付けた時の…、想いをめぐらして濡らした痕でした。
「奥さん、あんた、好きもんじゃったんか? なぁ、そうなんか?へへへ」
「そうかそうか、そうじゃったら早よぉ言うてくれりゃあ、、ほほほぉ」

私は、、その言葉を聞くと、体の血が全部逆流してくるような、、
鳥肌が一気に立ち、全身が痺れ、力が抜け、目の前が真っ暗になって、、、
そして… 意識が薄れて、気を失ってしてしまったのです。

 {つづく}


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淫獣の棲みか 其の二




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道中は長いので、時々サービスエリアに寄って休憩をとりました。
夏の終りといっても蒸し暑い日でした。

車から下りることが、少し恥ずかしく感じます。
あの下着が… 強い陽射しに透かされて見えてしまいそうな錯覚。
人の視線が私の中に向けられているんじゃないかとか…。
それに、いつもは着ない、裾が短めで胸元が目立つワンピースも…。

もちろん下着のこと、夫は知りません。
今夜、驚かしてやろうと思ってましたから。
車の中では、それを避けるように他愛のない会話ばかり選んでました。

高速道路を下りて、県道に入り、それから脇道に入り、
峠の山道を2時間ばかり走る予定でした。
その山道は細く鬱蒼と茂った木々の間を蛇行しながら続いています。
頼りにしていたナビの調子がおかしいことに気付いたのは、
陽が沈みかけて、あたりが暗くなり始めた頃でした。
進むごとに道は細くなり、とうとう通れない程になってしまったのです。
引き返しましたが何処で道を誤ったのか、来た道には戻れず、
次第に、いったいここは何処なのか検討がつかなくなりました。
どんどんと暗くなり、灯りらしきものはなく、
気が付くと辺りはすっかり闇に包まれて…。

もう動くのを諦めて車の中で朝まで待つ覚悟をしようとした時でした。
後ろから1台の車がやってきたんです。
夫は手を振り、その車を停めました。車に乗っていたのは二人の男。
「あんたら、こんなとこで何やってんだ?」
夫は事情を説明して、目的地のことを尋ねました。
「ああ、その温泉郷なら生憎だけど今はやってねぇよ」
「こないだの大雨で土砂崩れがあって今は通行止めだ」
困って考え込んでいる夫を察した男は、
「そうだ、この先に今はやってねぇが旅館があってな」
「主人はわしの知り合いじゃから、泊まるぐれぇなら、開けてくれるかもしれん」
「そこはせめぇ風呂じゃが、温泉も出とるぞ、なぁ」
「ああ、たまにわしらも浸からせてもらっとる」

二人の男はそうしゃべりながら、ちらちらと私の方を見るのです。
気味の悪いうすら笑いを浮かべながら。

夫は「どうする?」という素振りで私を見たので、
私は首を振りましたが、結局、その宿でお世話になることになりました。
「ねぇ、ほんとうにそのお宿に泊まるの?」
「んん・・・仕方ないじゃないか」
男達の車の後ろを私達は付いて行きました。
旅館に着くと二人の男は離れに行き、戸を叩き、宿の主人を呼びました。
出てきた主人らしき男は私達をちらっと見たので、私達は車の中で会釈をし、
それから交渉する三人の成り行きをじっと見ていました。
宿の主人は承諾してくれたようなので、私達は車を出てもう一度会釈をし、
三人の男達と用意してくれた部屋のある建物へと歩いて向かいました。

旅館と言っても長い間使ってない感じで、
壁はところどころ剥がれ、畳はあせ、天井には蜘蛛の巣が張り、
埃っぽくカビ臭い匂いが部屋の隅々まで充満していました。
主人の男はこれから片付けるからと言って、私達の前で掃除を始め、
何故か二人の男も手伝っていました。
その後、主人の男が布団を離れから持ってきてくれてました。

夕飯は?と訊かれましたが、夫が答える前に「いらないです」と私は答えました。
私は、もうこれ以上、その男達と関わりになりたくなかったのです。
…薄気味悪く笑う男達から離れたかったのです。
早く朝を迎えて、ここから出て行きたかったのです。

宿の主人を含む三人の男にお礼を言って、
もう疲れたから休みたいと告げたら、男達は場を立ち去る気配を見せました。
私は、もう一度、丁寧にお辞儀をしてお礼を言いました。催促するように。
男達は返事をしない代わりに、また私に向かってにやにやと笑いかけました。

気味が悪かったのは、まだあるんです。
三人は皆、坊主頭で、眉毛は薄く、太い首、毛深い腕、無精髭
三人ともよく似ているのです、風貌も、…顔も。
そして皆、人を蝕むような目つき …をしてました。

 {つづく}



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淫獣の棲みか 其の一



結婚20周年を迎えた年の夏の終り、
私達は1週間の休暇をとってその記念旅行に出掛けることにしました。
温泉に浸かりながらゆっくりと過ごしたいという夫の希望もあり、
観光名所でない名もほとんど知られていない秘境の温泉地を選びました。

私は「昭子(あきこ)47歳」、夫は「雅夫(まさお)52歳」
夫は会社役員で、私は自営の仕事をしています。
子供は大学生になったばかりの娘がひとりいます。
家には義母もいて、ひとつ屋根の下で4人で暮らしています。

ですので…、夫婦の営みもそう思い通りにはいきません。
それに、もう歳も歳ですし、夫も私も忙しい身でもあり、
お互いに求めるのもはばかりながら、いつの間にか…
お恥ずかしい話ですが…。

でも、こうした二人きりの旅行では、環境の新鮮さが刺激となり、
また、仕事の責任から解かれた解放感もあり、
つい旅先での、夜の濃密な交わりを期待してしまいます。

実際に… 旅行が決まった数日後、
夫は私のために派手で卑猥な下着を買って来ました。
まるで… 娼婦がまとうような大胆な…。
驚きましたのは「大人の玩具」も、でした。

つい最近のことですが、夫の書庫を片付けている時に、
女性を縛っている雑誌を数冊見つけてしまったのです。
夫は今まで、私を縛りたい、とか言ったことはありません。
夫は真面目でありプライドが高いのです。

昨日、旅行の準備をした夫の鞄の中に縄が忍ばれてありました。
この旅行で夫は、私を縛りたいと誘ってくるのかもしれません。
私はその…、夫の言葉、成りゆきを想像しました。
そして …少し濡れました。

旅行当日の朝、
私たちはごく日常的な会話をし、支度をして、
そして、少し重くなった鞄をトランクに入れて、車に乗りました。
今、助手席の私は、夫の買ってくれた下着を付けています。
そして、付けた後、…また少し …濡らしてしまいました。

行き先は新潟県の山間部、人里離れた温泉郷、
日暮れ前には目的地に着く予定です。

{つづく}








プロフィール

鐸(たく)

Author:鐸(たく)
中国地方在住。
60代男性。
自作の緊縛画、責め画を展示し、
その想いや色事を綴っています。
18歳未満のかた、
不快と感じられる方の
閲覧はご遠慮ください。

リンクはご自由に。(ご一報頂ければ有り難いです)
色々なご意見やご感想もお待ちしております。

※メールフォームは現在使えない状態です。
メールは直接下記のアドレスよりお願いいたします。
in_en_garou@yahoo.co.jp

では、お愉しみください。
………………………………………………………

Twitter始めました。

淫艶画牢・鐸 @in_en_garou
↑こちらにも載せていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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